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インターネット上の投稿の削除等について

2017.2.21

弁護士 松村達紀/Tatsuki Matsumura

1. はじめに

昨日(2017年2月20日)、東京地裁において、インターネット上の投稿の削除を請け負う民間業者のビジネスが弁護士法違反(非弁行為)に当たるとの判断がなされた旨の報道がなされた。また、昨月(2017年1月31日)、インターネットの検索サイトにおいて、自身の逮捕歴等が表示されるとしてこれらを削除するよう求めた請求に関し、最高裁において、削除を認めないとの判断がなされた旨の報道がなされたのも記憶に新しいところである。

このように、近年、インターネットによる情報発信の多様化・多量化に伴い、個人・法人を問わず、ブログやインターネット掲示板上に誹謗中傷等を記載され、社会的信用の低下や名誉棄損といった被害に関する相談が非常に多くなっている。

最近は、フェイクニュースがあたかも真実であるかのように拡散されることに象徴されるように、インターネット上の情報は真偽を問わず拡散され、いわゆる炎上に繋がることも多いため、被害を受けた者(企業)としては、迅速に対応することが求められる。

2. 具体的な対応方法

上記のように、インターネット上に誹謗中傷等の投稿がなされた場合、その対応方法としては、以下の二点を検討することになる。

  • 問題となっている投稿の削除を求める。
  • 問題となっている投稿を行った者に関する情報(発信者情報)の開示を求める。

 

(1) 投稿の削除

まず、①問題となっている投稿の削除に関しては、一般的にブログやインターネット掲示板の運営・管理事業者が削除権限を有している場合が多いため、かかる事業者に対して削除を請求することになる。この場合、最初に任意での削除を請求し、事業者がこれに応じない場合には、裁判手続(仮処分等)による削除を請求するといった流れになることが一般的である。

任意での削除に応じるか否かについては、事業者の内部的な基準によるところが大きいため(どの程度の内容の投稿であれば権利侵害があると判断して任意での削除に応じるかについては、各事業者で差異がある。)、具体的な投稿内容等に応じて検討する必要がある。

(2) 発信者情報の開示

次に、②問題となっている投稿を行った者に関する情報(発信者情報)の開示に関しても、上記①と同様に、任意での開示を請求し、これに応じない場合には、裁判手続(仮処分等)による開示を請求するといった流れになる。この場合、ブログやインターネット掲示板の運営・管理事業者(=コンテンツプロバイダ)は、投稿者の具体的な住所・氏名等の情報を把握しておらず、一定の情報(IPアドレス・タイムスタンプ等)を把握しているに留まるため、かかる情報の開示を受けた上で、それらの情報をもとにインターネットサービスプロバイダに対して具体的な住所・氏名等の情報の開示を請求するといった形で、原則として2段階の開示手続を経る必要がある。

(3) 証拠保存等について

上記の対応にあたっては、(i)対象となる投稿のURLを正確に把握する、(ii)対象となる投稿の(記載)内容を明確には把握し、権利侵害部分を特定するの2点がポイントとなるため、これらに留意した上で、スクリーンショットを取る、PDFや紙媒体で出力するといった形で証拠化しておくことが重要である。

なお、各プロバイダにおいては、ログを3か月~6か月程度しか保存していないことが通常であるため、早めにご相談いただきたい。

以上

2017/02/21        コラム